環境にも優しい生物くん蒸とは 【タキイ種苗】種子‐「いぶし菜」(チャガラシ)
「生物くん蒸」とは、土壌病害の防除方法の一つで、特定の植物を土壌に鋤き込むことで、その植物が含む成分が土壌中で化学反応を起こし、有害な生物を抑制する効果があります。
近年では、「いぶし菜」(チャガラシ)などを利用した「生物くん蒸」が注目されています。これらの植物は辛味成分を含んでおり、その辛味成分が有害なセンチュウや細菌、雑草の発生を抑制することが分かっています。
生物くん蒸の仕組み
・植物を土壌に鋤き込む: 特定の植物を土壌に鋤き込みます。
・グルコシノレートの加水分解: アブラナ科の辛味成分グルコシノレートが土壌中で加水分解されます。
・イソチオシアネートの発生: 加水分解によってイソチオシアネートと呼ばれるガスが発生します。
・有害生物の抑制: イソチオシアネートガスが有害なセンチュウ、細菌、雑草を抑制します。
生物くん蒸のメリット
・化学農薬に頼らない: 化学農薬を使用しないため、環境負荷が少ない。
・土壌の改良: 植物が土壌に分解されることで、土壌の構造や肥沃度が向上します。
・幅広い作物に適用可能: 様々な種類の作物に適用することができます。
生物くん蒸のすき込み時期と方法
すき込み適期
・グルコシノレート含量が最も高い、着蕾期~開花期が目安です。
・目標生草量は4t/10a以上、草丈は約1m以上が目安です。
すき込み~後処理
・フレールモアやハンマーモアなどで細断します。
細断できない場合は、ロータリーを数回かけ、土壌と良く混和します。
・細断後はできるだけ早くすき込むことで、ガスの有効利用を促進できます。
・すき込んだ「いぶし菜」は水分が多い条件で有効成分のガス化が促進されます。
ビニール被覆なしの場合(主に露地など)
・すき込み時期: 天気予報を見ながら、降雨前にすき込みます。
・鎮圧: 発生したガスの飛散を防ぐため、すき込み後は地表面を平らに鎮圧します。(タイヤやローラーなどで)
・後作: すき込み後、3~4週間を目安に後作の栽培を行います。
ビニール被覆の場合(主にハウスなど)
・散水: すき込み直後に十分に散水します。
・被覆: 散水後、2週間程度ビニール被覆を行い、ガスを土壌中に留めます。
・播種: ビニール被覆を外した後、1~2週間後に播種が可能になります。
まとめ
生物くん蒸は、環境に優しい土壌病害防除方法として注目されています。タキイ種苗さんの種子を上手に活用することで、環境にも優しい農業を始めましょう。
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