天然アサリが減る今、養殖が未来を変える|垂下養殖と地域ブランドの挑戦 - 飼料・肥料販売店 富士

天然アサリが減る今、養殖が未来を変える|垂下養殖と地域ブランドの挑戦

はじめに

岩手県で養殖アサリの量産化とブランド化が進められており、漁業者の収入向上に貢献すると期待されています。天然アサリの漁獲量が全国的に減少傾向にある中で、養殖はアサリの安定供給と付加価値向上に繋がる新しい取り組みです。

養殖アサリの取り組み

  • 量産とブランド化: 漁業者の収入向上と安定的なアサリの供給を目指す。
  • 付加価値の向上: 好条件な海中で短期間で育てることで、質の良いアサリに育てる。
  • 利便性の向上: 砂のないカゴで育成するので天然アサリと比べて砂抜きが不要です。

アサリの養殖について

近年、天然アサリの減少傾向のため、アサリの養殖は、日本の水産業において重要な位置を占めています。各地でも、養殖技術の開発と実践が積極的に進められています。

注目される垂下養殖(すいかようしょく)

  1. 方法:アサリの稚貝を砂とともにコンテナに入れ、海中に吊り下げて育てる
  2. 主な利点
     ・アサリを天敵から守る
     ・豊富なプランクトンを効率よく摂取
  3. 実施地域:千葉県や三重県などで実施されており、高品質なアサリの生産に成功
  4. 環境への貢献:アサリの養殖は海水の浄化にも役立つため、環境保護にも役立つ

配合飼料の活用状況

アサリの養殖では、主に以下のような場面で配合飼料が利用されています。

  • 種苗生産:配合飼料を使ったアサリの種苗生産に初めて成功した事例があります。
  • 陸上飼育での餌料:陸上水槽でクルマエビと混合飼育し、クルマエビ用配合飼料を与えることで、アサリへの餌料安定供給が見込まれます。

→ 関連ページ
 クルマエビ用配合飼料の特徴と効果

飼料の購入はこちらからどうぞ

 ・クルマエビ用配合飼料を購入する

家庭でアサリを飼育する場合

準備するもの

  • 水槽:アサリが呼吸できるように海水が入る大きさ
  • 砂:アサリが砂に潜れるように、適切な厚さの砂を敷く
  • 海水:塩分濃度が適切な海水の用意

餌の準備

  • 自然発生させる:水槽内に植物プランクトンや微生物を自然発生させる
  • 市販の餌:二枚貝用の配合飼料が市販されています。専門店やメーカーに問い合わせる

水温の管理

  • アサリは水温10〜25℃の範囲で成長可能ですが、25℃前後が適温
  • 夏場の水温上昇に注意が必要

アサリの飼育は水質や砂の状態に敏感で、適切な環境を維持することが重要です。特に死んだアサリは有毒化するため、すぐに取り除くようにしましょう。

今後の展望

アサリの養殖には、いくつかの新しい展望が見られます。

  1. 技術力の進歩:効率的な養殖管理により、病気に強く、成長の早いアサリの品種改良
  2. 地域ブランドの確立地域固有の養殖方法や品質管理による付加価値
  3. 地域への貢献:放流事業や潮干狩りなどのイベントに利用
  4. 国際市場への展開:高品質な養殖アサリの輸出により、海外への市場開拓

これらの取り組みにより、アサリの養殖は今後発展していくことが期待されています。

まとめ

アサリの養殖は、個体数の確保と漁業者の収入向上に貢献する重要な取り組みです。技術革新と環境への配慮を両立させながら、持続可能な水産業の実現に向けて、今後さらなる発展が期待されます。

岩手県をはじめとする各地域の取り組みが、日本の水産業の将来を支える重要な役割を担うことでしょう。

 LINE公式アカウント 

飼料肥料販売店 富士の公式ネットショップです。養魚飼料を中心に家畜飼料・肥料・牧草種子・景観用種子・野菜種子ご準備しております。

こちらの記事も読まれています。

  • 高級魚カサゴとは?特長・飼育方法・放流の意義をわかりやすく解説高級魚カサゴとは?特長・飼育方法・放流の意義をわかりやすく解説 カサゴは「高級魚」として知られていますが、その生態や飼育方法、そして資源管理のための放流活動については、意外と知られていないかもしれません。この記事では、カサゴの魅力を初心者にもわかりやすく解説し、山口県阿武町で行われた稚魚放流の事例もご紹介します。 放流活動の意義:阿武町の事例 2025年10月23日、山口県阿武町では園児たちがカサゴの稚魚500匹を海に放流しました。こ […]
  • 健康なトラフグ、マダイ、ハマチを育てるためのミネラル添加剤 – 林兼産業 「ミネラルの青」健康なトラフグ、マダイ、ハマチを育てるためのミネラル添加剤 – 林兼産業 「ミネラルの青」 健康な魚を育てるためには、適切な栄養が欠かせません。魚にとってミネラルは不可欠な要素であり、魚の成長と発育をサポートします。当店で販売する養魚用ミネラルは、高品質な成分を厳選し、魚の健康と成長を促進するために設計されています。 魚のミネラル不足について さまざまな健康上の問題が生じる可能性があります。具体的には、以下のような症状が現れることがあります。 骨や鱗の弱化 […]
  • 初心者からプロまで愛用! 【林兼産業】 稚魚から成魚まで対応する選び方とサイズ別一覧初心者からプロまで愛用! 【林兼産業】 稚魚から成魚まで対応する選び方とサイズ別一覧 鯉の飼育は、その美しさや存在感から日本の伝統的な趣味として愛されてきました。美しい錦鯉を育てるには、成長段階に合わせた適切な飼料選びが重要です。 本記事では、養鯉場から自宅の池まで幅広く使用されている林兼産業の鯉飼料について、種類別の特徴や使い分け、2025年3月の最新商品改定情報まで詳しく解説します。 林兼産業の鯉飼料が選ばれる理由 林兼産業の鯉飼料は、以下の特長によ […]
  • 初めてでもわかる!ウナギの飼育と養殖の基本ガイド初めてでもわかる!ウナギの飼育と養殖の基本ガイド 本記事では、ウナギの飼育と養殖の基礎知識について解説します。ウナギの養殖は、稚魚(シラスウナギ)を養殖池で育て、食用として出荷するものです。水温管理、水質管理、餌やり、病気対策などが重要で、特に水温は28℃前後に保つ必要があります。また、ウナギは水質に敏感なため、水質管理も重要です。 養殖の流れ ウナギの稚魚であるシラスウナギは現在、天然ものしか使用できません。養殖業者は […]
  • 香川県の水産試験場で「完全養殖」に成功したイイダコと今後の課題香川県の水産試験場で「完全養殖」に成功したイイダコと今後の課題 イイダコの完全養殖成功について 香川県の水産試験場が、イイダコの完全養殖に世界で初めて成功しました。 イイダコは、天ぷらや煮物、おでんの具材として人気がありますが、近年漁獲量が激減しています。 2002年には210トンあった漁獲量が、2023年には1.7トンと120分の1まで落ち込んでいます。 この激減は、海の環境の変化や捕食者の増加、レジャー釣りによる過剰な捕獲 […]
PAGE TOP